『山登りABC 地図読み はじめの一歩』平塚 晶人(著)

一般登山者が使用する地図は国土地理院発行2万5000分の1地形図より登山地図の代名詞ともなっている「山と高原地図」(昭文社)を使用するほうが現実的には多いだろう。

本著は、まずは山と高原地図を使っての地図読みから入り、地形図は後半にならないと登場してこないという点で、地図読み初心者にも非常にとっつきやすいのではないかと思う。

地図読みは山ヤが習得すべき基本技術の一つであり、山岳会に入ってる方は徹底的に2万5000分の1地形図での読図技術を叩き込まれ、山行にも地形図とコンパスを持っていくのは昔から常識と言われてきたと思うし特にベテランはその考えが強いはずだ。

しかし、GPSが普及しスマホのアプリでも地形図や登山地図上で現在地とルートが確認できるようになった今、ナビゲーションのやり方はGPS中心でいいと僕は思っている。

また、メジャー山域の夏山一般ルートであれば、地形図より山と高原地図のほうがむしろ情報が豊富で、一般登山者にとってはわかりやすいはず。

必要なことは昔からの型通りに2万5000分の1と考えず、自信の頭で考え、シーンに応じたやり方をすることではないだろうか。

しかし、山の基本地形を理解し地形を細かく読む上で、2万5000分の1地形図に勝るものはないのは事実。また、バリエーションをやったり雪山をやる方は当然にして読めることが必要だし、電子機器のバックアップの役割としても、僕は紙の地形図はどんな山行にも持っていくようにしている(地図読みが得意だとは言い難いけど)。

本著より。

計画段階の思考回路
1.いちばん高い山を見つける
2.稜線を見つける
3.稜線へ突き上げる大きな沢を見つける
4.稜線から分岐する大きな尾根を見つける
5.道は尾根と沢をどのように利用しているか
6.入山口から山頂までの標高差は
7.急な部分、緩やかな部分はどこにあるか

キレットは切戸という日本語が語源なんですよね。地名から読み取る地形。
ピーク・・・丸、ノ頭、ノ峰、嶺
コル・・・峠、タワ、タル、キレット、クビレ、乗越
尾根・・・稜
沢・・・谷、窪

ちなみに、本著では触れられてないが、北アルプスを境にして「沢」「谷」の呼び方の比率はきれいに逆転している。

東日本では「○○沢」が圧倒的に多く、逆に西日本では「○○谷」ばかり。 縄文文化の影響を強く残す地域と弥生文化の影響が大きかった地域で 地名に差が出たという考え方があるようだけど、地名からいろんなことに考えを巡らせるのもまた地図読みの楽しみ方の一つ。

地図がもっと読めれば山の形がより理解できて、山を歩く楽しさもまた増す。結局のところ、山をずっとやっていると2万5000分の1地形図に最終的に辿り着いていくはず。

目次は次の通り。

1 地図読みの世界へようこそ
2 登山地図の活用
3 計画段階で登山地図を読む
4 山行中に登山地図を読む
5 地形図の利用
6 道迷い回避のために
7 コンパスの使い方

サミットガイド宮崎薫Office WEBSITE

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