アジア主義者の巨頭であり、右翼の源流とも言われる玄洋社総帥、頭山満を描いた大東亜論の最終章。連載していたSAPIOの不定期刊行化により、残念ながら未完という形で終了。
ちなみにSAPIOの実質的な休刊については、杉田水脈のLGBTへの差別的寄稿に端を発した新潮45の廃刊問題が起きたことで、小学館がリスクマネジメントとして右寄りの雑誌は出さないと判断したとも言われる。
「HANADA」や「WiLL」ほど右傾化した雑誌ではないと思うけど残念。
明治以降の欧化主義・西洋追従に反対し、アジアと連携して西洋列強に対抗しようとした頭山満と玄洋社。
小林氏は明治礼賛史観を支持しない。もちろん、左翼が言うような侵略の歴史であったみたいな自虐史観にも与しない。
明治とは、武士の魂、西郷隆盛が目指した東洋王道の道義を失った堕落の時代だとする。
頭山満は、西郷隆盛の遺志を継いで東洋王道を本気で実現しようとした。
結果的に日本は、大久保利通の西洋覇道が勝ち、朝鮮、清を西洋と同じやり方で屈服させた。
しかし帝国主義が世界を席巻してた時代、シナべったりの事大主義で変わろうとしない朝鮮、そしてロシアの南下の脅威を考えれば、当時の日本の国策はやむを得なかったとも思う。
頭山満が今の時代に生きていたならば、なんと言うだろう。
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