犬ぞりによる南極大陸横断を目指す植村直己さんによる、地球最北端のエスキモーの村での極地トレーニングの記録。
デンマーク領グリーンランドの北極圏にあるエスキモーの村シオパルクに植村さんが住み込んだのは1972年~1973年にかけての約10か月間。
最北の地に独りで乗り込み、様々な苦労をしながらも、持ち前の人を惹きつける力でエスキモーの生活に溶け込んでいく。
今では彼らの生活も当時とはだいぶ変わってしまったと思うが、本作に書かれているエスキモーの生活習慣は日本人とはだいぶ異なるため、最初はかなり戸惑ったに違いない。
アザラシ、セイウチなどの生肉が主食であり野菜をほとんど食べない食生活、一部屋しかない家の室内で大小便をするというのは、雪洞の中での生活のようだ。
また、大変うらやましく思ったのは、セックスに対するフリーな考え方というよりフリーセックスだなこりゃ。植村さんも実際モテモテだった様子。
本来の目的である犬ぞりや猟の技術習得は、最初かなり苦労したが次第に技量を上げていく。
そしてトレーニングの集大成として、3000キロ単独犬ぞり行を成功させる。
この冒険の体験記が生死すれすれの臨場感が伝わってきて本当に面白い。
この本最大の魅力は、冒険記としての楽しさはもちろんのこと、エスキモーの人々と同じように生活を共にし、心を通わせ合っていく姿にこそあると思う。
植村さんの人間としての魅力あってのことだろう。
何よりも酒が大好きで、酒を手に入れることが人生の目的で生きてるんじゃないだろうかと思わせる本著の中でのエスキモーの姿。
今、極北の地の村での彼らの生活はどうなっているのだろうか。
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新装版 極北に駆ける (文春文庫)
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