雪上確保の基本

雪山登山においては、安定した支点構築が難しく、また手間のかかる場合も多い。
 
しかし、滑落によるリスクが高い状況では、出来る限りスピーディーにロープを出して確保できるよう習熟しておきたい。
 
1. アックスによる支点
 
① 2本のアックスを雪面に9分目まで差し込む。

② スリングで流動分散支点セット。

③ さらにヘッドを踏んで雪に埋め込む。

④ スリングのみぞを掘り、アンカーが上に引かれないようにする。

⑤ 雪が軟らかいときは、雪面にT字型の溝を掘り、シャフトの中央に長いスリングを結んで30cm以上横にして埋め、スリングの一端は雪上に引き出す。

2. スノーバーによる支点
 
①  鉛直方向から少し山側に傾けて差し込む。完全に入らない場合は、雪面近くにスリングをガースヒッチ。

② 長いスリングをセットして深く埋め込む。

③ スリングのみぞを掘り、アンカーが上に引かれないようにする。

④ 雪が軟らかいときは、雪面にT字型の溝を掘り、シャフトの中央に長いスリングを結んで角を上にして30cm以上埋め、スリングの一端は雪上に引き出す。

3. アイススクリューによる支点 

氷面に対して90度でねじ込む。確保支点の場合は2本以上セット。

4. 確保場所の作り方
 
① 安定したビレイポジションを得るためにバケツを掘る。

② 斜面上方の雪を踏み固めてスノーバーやアックスでアンカーを作り、セルフビレイをセット。ザックもスリングでアンカーに連結。

5. スタンディングアックスビレイ
 
ビレイヤーが立つ位置より上部にアンカーを設置。

① ピッケルのヘッドの下に、60cmスリングを巻いてガースヒッチで取り付け、カラビナをセット(スリングの長さは15cm程度になるのがベスト)。

② ピッケルのヘッドを落下線に対して直角に向け、山側に少し倒し気味に差し込む。

③ カラビナにパートナー側のロープを下から通して、左脇の下から背中を通り右肩へロープを回して握る。

④ 斜面に対して半身になり、山側の足でピッケルのヘッドラインに接してスリングを踏む。フォールラインに対して直角、真っ直ぐに立つ。

⑤ 滑落停止は、ロープを送り出して衝撃力を抑えつつ、体にロープを巻きつけるようにして停止させる。
 
カラビナからくるロープを持つ手は添えてるだけ。肩に回したロープを握る手が制動手。
 
ロープに滑落荷重がかかると、カラビナを通して鉛直方向の力に変えられて、ピッケルを抑える力となる。

6. 腰がらみ

① 雪穴に腰掛けて両足が踏ん張れる形に雪を掘り固める。

② クライマー側のロープを腰に回して操作する。

③ 滑落停止は、ロープを送り出して衝撃を抑えつつ、腰にロープを巻きつける。

7, 肩がらみ

① 足場をよく固める。

② 左脇の下から背中を通り右肩へロープを回して握る。

③ 制動側の右手で肩に回したロープを体の前に持ってくると制動が強まり、体から離すと弱まる。
 
 
 

サミットガイド宮崎薫Office

認定山岳ガイドによる技術講習とガイディングを通じて、スタンダードな登山の技術と登山の楽しさをお伝えしてます。はじめての登山から、雪山、バリエーションルートまで。今より一歩先の登山へのチャレンジを、安全に分かりやすくサポートします。 日常を脱ぎ捨てて山へ冒険に出かけましょう。