新聞記者

 
日本アカデミー賞を授賞した「新聞記者」アンコール上映を観てきた。
 
最優秀主演女優賞授賞した韓国のシム・ウンギョンの授賞式での涙に、僕も不覚ながらもらい泣き。
 
美女に泣かれたらやはり映画館に足を運ばざるを得ない。
 
映画は日本の現政権の不祥事がモチーフになっていることから、出演のオファーにみんな二の足を踏み、結果的にシム・ウンギョンになったと言われる。
 
冒頭、TBS元ワシントン支局長から、当時留学中だった、フリージャーナリストの伊藤詩織氏がレイプされた事件を思わせる話から始まる。
 
実際の事件でも、逮捕状が出てたのに執行が直前になって差し止めらたことは事実。
 
この件は当時の警視庁刑事部長も「捜査上の理由」で山口氏の逮捕を差し止めたことを認めている。
 
この容疑者が首相と親しい関係にあった記者のため、官房長官の秘書も歴任したことのある刑事部長が、官邸になんらかの忖度をしたのではないかと騒がれた。
 
告発本を出した伊藤詩織氏には逆に、売名行為が目的だったのではとの非難が一部から上がり、レイプ被害者に対するセカンドレイプ問題も。
 
実際の事件では、刑事裁判は証拠不十分のため不起訴処分。その後の民事では伊藤詩織さんが一審勝訴していてまだ係争中となっている。
 
刑事と民事で判断が分かれてしまう、性犯罪被害での立証の難しさ。
 
映画では、容疑者の記者が首相とベッタリの関係にあったため官邸から圧力がかかったとし、さらに内閣調査室がSNSを通じて世論誘導を行う。
 
映画のこの内容は、完全なフィクションだ。
 
その後は、この映画の核心である大学新設計画に関する疑惑。これも一見、加計学園疑惑を思わせる内容だが、言うまでもなく完全なフィクション。
 
内調もここまで本当にやってたらKGB並みだけど、漫画の中ではゴルゴ13とコンタクト取ったりしてるから、あるいは僕が知らないだけだったりして。
 
大手ではない独立系の手掛けた反権力映画という点が、受賞において最大の評価のポイントになったのは間違いないだろう。
 
たしかに様々なスキャンダルがモチーフになっており現政権批判映画とも受け取れるが、映画はあくまでも映画。
 
長期化する権力は腐敗しやすく、それは政党も時代も関係ない。その監視役の一端をたしかにジャーナリズムは担う。
 
映画を通して少し考えてみることはいいかもしれない。
 
しかし監督自身が、「人が、この時代に、保身を超えて持つべき矜持についての映画だ」と言っている。
 
矜恃を大切にする人の美しさ。しかし矜恃を保つことがいかに難しい時代か。
 
シム・ウンギョンと松坂桃李は素晴らしい演技だった。授賞を受けて、韓国でもすぐさまアンコール上映となった。
 
 
 

サミットガイド宮崎薫Office

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