カミングデバイス(カム)の基本

 
 ハンガーボルトなどがないクラックにおけるプロテクションは、基本的にカムでセットされる。

カムの扱い方にはルールがあり、適正にセットされていないと墜落時に重大事故にも繋がる。

◆カムがクラックに効く仕組み

・カムは開こうとする4枚のカムと岩との間の摩擦力で支持力を得る構造になっている。

・墜落荷重によりカムに下方向の力が働くと、カムには逆方向に開く力が働き、岩へ押さえつけられ岩との摩擦が増大し、これが支持力になる。

・カムはロープで引かれるなどの外力によって、カムが開いて自分で動いていく性質がある。

◆カムのセット方法

1. ギアラックからカムを外してトリガーバーを引く。

2. カムを先にして、ステムを予想加重方向に向けながらクラックに入れる。

3. トリガーバーから指を離し、4つ全てのカムが岩に接するようにカムを作動させる。

4. カムを予想加重方向に軽く引いて、セット後に動いたり回転しないことを確認。

ロープの流れによってセットした位置から動いてしまいそうな場合は、長いランナーを使用。

・カムは岩を押し広げようとするから、岩が脆くなく頑丈であることを確認。

・全てのカムが50〜90%閉じた状態でセット(適度に閉じたカムは開ききったカムよりはるかに高い支持力)。

・左右のカムの間の角度が90度になる開き方が50%。180度が開ききった0%の状態。

・基本的には50%以上閉じてれば問題はない。100%閉じた状態だと回収困難になる場合あり。

・ステムが予想加重方向を向いている状態が理想的。

・上が広がっているクラックは、カムがロープで引かれ自分で動いていく性質がある。よって、カムのセットは平行なクラックにセットする。

・クラックの縁にセットしない。クラックの外にカムが弾き出される場合がある。

・奥が閉じた浅いクラックではステムを予想荷重方向に向けることができず、十分な支持力が得られない。

サミットガイド宮崎薫Office

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