「勇気こそ、人生で最も大切なもののひとつだ。ぼくが今もどうにかこうにか人生の荒波を渡っていけるのは、わずかな勇気のお蔭だ。」
勇気こそ人生を切り拓く剣。この本を読み終えたとき、その言葉の深さを噛み締める。
僕はどうだろうか。吹けば飛ぶような小さな小さな勇気が辛うじて残ってるからこそ、こうやって生かされているのかもしれない。
そして、その小さな勇気の種を与えてくれたのは、人との奇跡の出会いだ。自分ひとりの力で育てることのできた勇気ではない。
本当に面白い小説だった。一気に一日で読み通した。
小学校6年の落ちこぼれ少年3人組が、突如「騎士団」を結成し、秘密基地を作り憧れのクラスメイトの美少女に忠誠を誓う。
それぞれに大きなコンプレックスや家庭の事情を抱えてクラスで馬鹿にされるような子たち。
どもり、生活保護の親、精神障害の母。子どもは残酷だ。そうしたことを容赦なくからかうネタにしてくる。
その子たちがひと夏の騎士団ゴッコを通して、大きな事件に巻き込まれて、そしてクラスの嫌われ者と思われていた女子・壬生との出会いを通じて大きく変わっていく。
この壬生という少女の描き方が本当にいい。
少年らは努力することの尊さに気付き、そして小さな勇気が芽生えていく。
少年たちの冒険、友情、美少女への憧れ、そして本当の恋。いい作品だな。
エピローグの最後のページを読んで、わ!そしてしみじみと祝福。
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