『夏物語 』 川上 未映子(著)

 
「とくべつな誰かに会うために、どうしてひとりではだめなのか。
わたしたちは知りもしない誰かに会いたいと思うのか。
生むこと、生まれてくるとはどういうことなのか。」
 
それらの命題について読み進めながら考えさせられる。
 
とも思いました。」
 
ともコメントされてる。
 
芥川賞受賞作の短編『乳と卵』が起点となっている作品。
 
結果的に、著者の作品の中で一番長い物語になったのは、当時『乳と卵』という短編では描き切れなかったというよりも、まだ当時ではそれ以上にはならなかった物語を、川上未映子さん自身の成長とともに、物語の主人公たちが生き生きとまた動き出したのだろうか。
 
を描いた。この作品はこの作品で見事に完結されていて、そして笑って泣かされた。
 
『夏物語』はその3日間とさらに、夏子が小説家になった8年後を描く。
 
38歳になった彼女は、相手はいないが、「自分の子どもに会いたい」という強い思いが芽生え、パートナーなしの出産を真剣に模索し始める。
 
そんな中で、精子提供で生まれて、本当の父を探す逢沢潤と出会い惹かれていく。
 
同じく精子提供で出産した逢沢の彼女は、出産を親たちの「身勝手な賭け」だと言い、「どうしてこんな暴力的なことを、みんな笑顔でつづけることができるんだろう」と問う。
 
生命倫理に関する重いテーマを扱ってるが、著者独特のユーモアで何度もまた笑わせられる。
 
「子供を産むことは無条件に善」という価値観は思考停止なのかもしれない。
 
死と同じように、生まれてくることにも取り返しのつかなさがあるなどとは、僕は考えたこともなかった。それはある意味、恵まれてきただけなのかもしれない。
 
 
 
 

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