タリー映画。映画館とテレビとで2回観た。僕なら登り始めてカップラーメン出来るまでに死亡してるかも。八つ墓村より怖い映画だった。
意味が分かりません。
この映画は第91回アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を含む多数の賞を獲得して、興行的にも大成功。クライミングを知らない一般の人から見ても、死に最も近いこの映像はあまりにも衝撃的だろう。
フリークライミング(リードクライミング)はビレイヤーがクライマーの動きに合わせてロープを操作し、クライマーはプロテクション(中間支点)を取りながらロープを通して登るので、墜落しても直近で取ったプロテクションにロープが引っかかってそこで止まる仕組み。
それでも落ちると、プロテクションまでの距離+ロープのたるみ分墜落することになるので、ロープをつけてても怪我をするリスクは抱えている。
フリーソロはそういう墜落した場合に止まる仕組みが一切ない、要するに落ちたら即死ということを承知で登ってるわけで、しかも今回登ってるルートは超超難しくてヤバイやつ。
人類が初めて火星に立ちました、そこでタコみたいな火星人を発見したけど顔は綾瀬はるか似だったよりも尋常じゃないことだと思う。
監督もカメラマンも全員がプロクライマーで撮影に挑んでいて、アレックスにストレスを与えずにこれだけの映像を撮ったのもまたすごい。
鍛え抜かれてぜい肉一つない肉体、研ぎ澄まされた精神で、独り静かにそして淡々とエル・キャピタンに取り付くアレックスの姿はまさに侍を思わせる。武士道とは死ぬことと見つけたりの雰囲気。
映画の中で彼の脳の動きをMRIで調べるシーンがある。恐怖を感じる脳の細胞の動きが普通の人とはやはり違うらしい。僕ももう少し恐怖を感じないように脳細胞に頑張ってほしいものだ。
「幸福な世界には何も起きない。そこにいても何も達成できない」とはアレックスの言葉。
しかし彼は極端な例にしても、登ることによってのみ生を実感できるのがクライマーという人種なのかもしれない。
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